1.研究の意義・目的について
統合失調症はかつて、入院中に病気の症状を消失させてから、元の生活に戻すことに重点が置かれていました。しかし、近年では、「医療職者が治す」という考えから、「当事者が自分らしく生きる」という目標をもち、前向きに歩むことができるようにという考え方である「リカバリー」の概念に変化してきています。
諸外国においては「リカバリー」についてさまざまな定義がされています。しかし、我が国においては、リカバリーという言葉が伝わってから15年ほど経過していますが、十分な検討がされないままである現状にあります。定義においても明確に定まっておらず、これまでさまざまな論文でリカバリーについて統一的な見解・定義がないまま研究が行われています。
そこで、本研究では統合失調症者のリカバリーの構成要素を明らかにすることを目的としております。
2.研究方法について
研究デザイン:フォーカスグループインタビュー
対象者:日本で精神科看護経験を5年以上経験した方
看護系大学院の修士課程を修了した方もしくは在学中の方
対象者人数:1グループ6~8人で2グループ(計12~16人)
研究場所:筑波大学内共同利用棟B112で実施。
なお交通費については実費をお支払いいたします。
日時:日時については対象者の方々の都合を伺い調整します。
3.本研究のメリット
リカバリー概念は、我が国ではまだ取り入れられたばかりであり、臨床の現場でリカバリー志向が浸透しているとはいいがたい現状にあります。しかし我が国でも統合失調症者の脱施設化が進みつつあり、障害をもちながらも地域で生活することが求められています。リカバリーの概念が浸透していない我が国においては、統合失調症者のリカバリー概念の構成要素が明確になることで、医療職者がリカバリー志向を意識できるようになると考えます。
4.倫理的配慮
1)倫理審査委員会の承認
本研究は、筑波大学医学医療系倫理委員会の承認を得て実施させていただきます。
2)プライバシーの保護
本研究では、ディスカッション内容をICレコーダーに録音させていただきますが、その内容は研究者のみが扱います。また、対象者の方のお名前は偽名とし、本人が特定されないようにします。
5.この研究結果の使われ方
1)研究結果は看護系の学会発表及び論文として発表させていただきます。
2)この研究により得られたデータは、2033年3月31日に破棄いたします。
【この研究に対するお問い合わせ連絡先】
フォーカスグループインタビューに参加してくださる場合や、この研究に関するお問い合わせがありましたら下記までご連絡ください。
<連絡先>
〔研究責任者〕
筑波大学 医学医療系 保健医療学域
教授 森 千鶴
〒305-8575
茨城県つくば市天王台1丁目1番地1号
連絡先(TEL&FAX):029-853-8062
Email:mori@md.tsukuba.ac.jp
〔連携研究者〕
筑波大学大学院人間総合科学研究科看護科学専攻
博士後期課程 佐藤佑香