1.はじめに
看護の実践には多くの倫理的な問題が立ちはだかり、実践を阻んでいる現状があります。この倫理的問題により、精神的苦痛や仕事の満足度の低下、離職意思、バーンアウトなど、これまで多くのネガティブな要因との関連が明らかになっています。しかし、この難しい状況に対して、一時的には落ち込みながらも、そこから立ち直り、適応的な機能を維持しようとするポジティブな概念であるレジリエンスが注目されています。近年では、倫理的問題に対して道徳的レジリエンスという概念が提唱され研究されていますが、看護師が専門職として倫理的問題に対応していく場合は倫理的レジリエンスという概念が適切であると考えています。そこで、本研究では、倫理的レジリエンスを測定するための調査項目がこの概念を測定する調査項目が適切な表現となっているかについて臨床で働く看護師の皆様からご意見を伺いたいと考えております。
この研究は筑波大学医学医療系医の倫理委員会の承認を得たうえで実施しています。
2.本研究の目的及び意義
本研究の目的は、臨床で働く看護師の皆様に看護師のレジリエンス尺度の調査項目について、適切な表現となっているかご意見を伺い、調査項目を精製することです。これにより、対象である臨床の看護師の皆様が回答しやすい調査項目の作成が可能となります。
3.研究対象者
・ 病院に勤務している看護師
・ 看護師長相当以上の管理業務にあたっている看護師は対象ではありません
本研究は臨床で患者のケアを中心に行なっている看護師を対象とするため、管理業務にあたっている看護師は対象から外させて頂きます。
4.調査の方法及び期間
同意していた参加者の皆様には、郵送または手渡しでアンケートを配布お配りいたします。アンケートの回答は約20分程度のお時間を要します。ご回答頂いたアンケートは、個人が特定されない形で管理いたします。
研究の期間は、令和6年5月(倫理審査承認後)から令和6年8月です。お手元にアンケートが届きましたら、2週間を目処に連携研究者に返送して頂きます。
5.本研究によるメリット・デメリット
(1)メリット
この研究に参加することにより、臨床における倫理的問題に対応するレジリエンスについて検討することができ、臨床実践を振り返ることができます。
(2)デメリット
アンケート調査を行うことによって20分ほど時間をいただくことになります。
6.この研究への参加は、自由参加で参加の取りやめも自由です
このアンケート調査に参加されるかどうかは対象者の方の自由な意思によって決めていただきます。同意後、1ヶ月以内の同意撤回は可能ですが、その期間を過ぎると分析に組み込まれてしまうため、同意の撤回はできません。
7.プライバシーの保護について
このアンケート調査にご参加いただいた場合、得られたデータは専用のUSBメモリに記録し、施錠可能な棚で管理します。調査結果の保管から集計の際に電子媒体に調査データを保管しますが、それら全てにパスコードを設定し、閲覧するのは研究者のみとします。ご提出頂いた調査の内容は他の人に知られることはありません。また、この調査に関する情報は、番号化し、個人が特定されない形で管理いたしますので、対象者の個人情報が外部に漏れることは一切ありません。
8.アンケート調査の結果の使われ方について
この研究の結果はプライバシーへの配慮を十分に行ったうえで、看護系の学会等での発表を予定しています。この研究は、個人が特定される形で研究者以外が見ることはありません。この研究によって得られたデータは、研究責任者のもと研究保存期間終了後10年間まで施錠できる棚に保管し、その後破棄いたします。
9.本研究による研究機関、また個人の収益等に係る利益相反はございません。
10.ご質問、ご意見について
この研究に関して、ご質問、ご意見がございましたら、いつでも研究者までご連絡ください。
【連絡先】
<連携研究者>
筑波大学大学院人間総合科学研究科看護科学専攻 松田順
E-mail:s1930479@s.tsukuba.ac.jp
<研究責任者>
筑波大学 医学医療系 准教授 菅谷智一
〒305-8575
茨城県つくば市天王台1丁目1番地1号
連絡先(TEL&FAX):029-853-8437
E-mail:sugaya@md.tsukuba.ac.jp